書籍

随筆・エッセー
電子書籍
90歳、凜として生きる
著者  小山 明子
発売日:2025年9月25日
ISBN:978-4-620-32845-4
判型:新書サイズ
頁数:256頁
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書影:90歳、凜として生きる
定価:1210円(税込)
電子書籍版定価:1210円(税込)
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人生という舞台はまだ終わらない。

90歳は新たな物語の始まり。

17年にわたる夫・大島渚監督の介護と看取り。
その後、乳がん、大動脈弁狭窄症、脊柱管狭窄症、肺がん、コロナうつを発症。
数々の困難を乗り越えてきた女優が語る。

90歳(卒寿)を迎えた女優・小山明子氏が綴る、老いと人生のエッセイ。
1996年、夫である映画監督・大島渚氏が脳出血で倒れて以来、17年にわたり介護を担い、その最期を看取った。
その後も、乳がんによる両胸の切除、大動脈弁狭窄症、脊柱管狭窄症、肺がん、コロナ禍でのうつ病――幾度となく病に向き合いながら歩んできた。
2024年には肺がんが再発(ステージ4)。それでもなお、著者は語る。
「こういう体になっちゃったんだから、これからどう生きるかが大事」
ライフスタイル、健康、お金、働き方、家族・人付き合い、介護、老いとの向き合い方、終活まで。人生100年時代をしなやかに生き抜く知恵とユーモアに満ちた、胸に響く一冊。

目次

第1章 夫・大島渚と過ごした最後の時間──静かな別れの記憶

あと1日……と願い続けた日々

最後に握り返してくれた手、それは「大好き」の証し

夫婦で過ごす「今」こそが、何よりの宝物

人生をともに歩んだ証し──夫婦墓をつくる決意

怒濤の日々をいつも二人で乗り越えてきた 

フランスで迎えた銀婚式。夫から思いがけないプレゼントが

奇跡的な復活を遂げ、映画の撮影再開。二人でカンヌへ

若手監督の未来を照らす「大島渚賞」が創設



第2章 介護うつを乗り越えて──歩み始めた希望の道

「うつ」は、心が疲れたときのサイン

マスコミの目を逃れ、こっそり夫の病室へ

妻失格と自分を責め、発作的に家を飛び出す

うつ病と診断され、強制的に1カ月の入院

年齢よりずっと老け込んだ自分に、思わず言葉を失う

入退院を重ねても、心身のバランスは崩れていく一方だった

料理で自信を取り戻し、徐々に回復

夫の映画監督復帰をきっかけに、私は水泳教室へ

魚屋の女将さんとの会話が、私を孤立から救ってくれた

夫とカンヌへ向かう日、うつから抜け出す光が見えた

夫とお手伝いさんの同時入院で腹を括る

ゴミ出し当番でご近所とのつながりが生まれた

「手放す心」で生きる希望を見出す 

相手に捧げることで満たされる──デーケン氏の「喜捨」の教え 

世間体を気にせず、家族そろって回転寿司へ 

「にもかかわらず」笑う、ユーモアを忘れないことが介護の原点 

「ありがとう」には誰をも笑顔にする力がある 

介護に直面したら、まず地域包括支援センターへ相談 

介護保険制度を上手に活用し、負担を軽減 



第3章 介護が紡ぐ、人と人とのつながり

車椅子でも快適に──夫のために整えた京都・再会の旅 

無事に帰京、夫の笑顔にすべての苦労が報われた 

出会いは、一歩踏み出す勇気から始まる

フルートの音色が導いてくれた新たな交流 

音楽の余韻とともに生まれた〝馬友〟のご縁 

ご縁の輪が広がるたび、心がほっこりする 

福島での集いが、被災地支援の出発点に 

福島支援バスツアーで、再び震災の地を訪れる 

被災地の子どもたちへ本の支援を決意 

同級生のリアルな声を集め、中学生の孫が選書リストを作成 

被災地での出会い、鎌倉で再び 

被災地に想いを寄せて、映画上映会を開催 

義母が家庭を守り、私は働きに出る──それが我が家のスタイル 

息子家族の暮らしを尊重しながら、ほどよい距離感で支え合う 



第4章 夫を看取ったその後に──病と向き合った80代

「まさか私が」──年2回の検診でも見過ごされていた乳がん 

乳がん告知、迷いなく両胸の切除を決意 

定期検診で早期発見、手遅れを免れた 

検診で不整脈が見つかり、大動脈弁狭窄症と判明 

左足のしびれの原因は脊柱管狭窄症、即手術という診断が 

手術を終えた矢先、まさかの肺がんが判明 

肺がん再発、「ステージ4」と診断される 

死を意識することはなく、家族のありがたさが身に沁みた

コロナ禍で収入激減、再びうつを発症する 

息子夫婦に通帳を預け、生命保険とカードを解約

無駄な出費をカットし、お小遣い制で楽しく暮らす

母の死後、変化した家庭のかたち 

「立つ鳥跡を濁さず」──今も忘れられない母の教え

B29の編隊とともに刻まれた戦争の記憶

父の命を救った一通の電報

終戦の日の母の涙、その意味が今なら理解できる

兄たちと支え合って暮らした少女時代



第5章 90歳、心豊かに生きるヒント

お礼状は、心を伝える第一歩

感謝の一筆が、絆を結ぶきっかけに

心に響く言葉を書きとめると、気持ちが前向きになる

書き出すことで、学びが深まる

カレンダーに予定を書きこめば、自然と行動したくなる

気負わずに書く、それが日記を続けるコツ

本には生きるヒントがあふれている

好きな本に囲まれて暮らす幸せ

体力と気力の続く限り、いただく仕事には全力で応えたい

月1回のコーラス教室で思い切りストレス発散

25年続ける水泳教室が健康の秘訣

就寝前のストレッチで疲れをほぐしリラックス

親友の山本富士子さんに誘われ、四季を楽しむ一筆画の魅力に出合う

女子会麻雀で楽しく脳を活性化

スマホがあれば、人との交流ももっと広がる

形見分けを先延ばしにしない

草花の成長が、何気ない日常に喜びを届けてくれる

楽しく歩くことが健康の鍵

しっかり洗顔とたっぷりの化粧水で、肌が潤い整う

月に1度はプロの美容ケアで心と肌に元気をチャージ

食事は規則正しく、バランスよく

白内障の手術で見える世界が広がり、暮らしに明るさが戻る

聞こえをサポートする補聴器が、ストレスをぐんと軽減する

いざというときに備えて、近所にかかりつけ医を

「クールビューティー 小山明子」と銘打った特集上映

90歳の「今」を元気に明るくする魔法の言葉「かきくけこ」

人生という舞台はまだ終わらない。90歳は新たな物語の始まり

著者について

小山 明子(こやま・あきこ)

女優。1935年、千葉県生まれ。高校卒業後、大谷学園横浜ドレスメーカー女学院(現・横浜高等教育専門学校)在学中に雑誌「家庭よみうり」のカバーガールとなり、松竹にスカウトされる。1955年、松竹映画「ママ横をむいてて」でデビュー。1960年、映画監督の大島渚と結婚。フリーとなり、映画、ドラマ、舞台で活躍。1969年、大島渚監督、日本アート・シアター・ギルド(ATG)との提携作品「少年」にて毎日映画コンクール女優助演賞を受賞。1996年に夫が脳出血で倒れ、介護の日々が始まる(夫は2013年1月に逝去)。介護に関する講演などでも活躍。2008年、『パパはマイナス50点 介護うつを越えて夫、大島渚を支えた10年』(集英社)で日本文芸大賞エッセイ賞受賞。