世界中で今、「我が国ファースト」の"妖怪"たちがうごめき始めている。
この事態を阻止するために、何をどう見定めるべきかを突き止める。
アメリカ、ヨーロッパをはじめ世界各国で今、自国第一主義の"妖怪"たちがうごめき始めている。絶対に起こってはならない過去への「逆戻り」が今、我々を脅かそうとしている。「人生100年時代」という言葉が流行しているが、今年は第一次世界大戦終結から100年の節目。100年前の1918年には国々の我欲がぶつかり合い、その衝突が炸裂させる火花が、大きな炎と化して、世界を呑み込んでいた。かの時代には、怪しげな野望を抱く者たちが、人々を駆り立て、鼓舞し、排斥行動へと追いやっていった。このおぞましき構図への逆戻り。残念ながら、それを懸念させる現状が今、我々の目の前にある。この現実を直視しなければならない。そして、この起こってはならない事態を阻止するために、何をどう見定める必要があるのかを突き止める。最悪への逆戻りを阻むため、「アホノミクス」の提唱者が歴史に問い、事象の本質を見極め、将来を予測する。
目次
第1章 危機の真相はどこにあるのか著者について
はま のりこ/1952年生まれ。一橋大学経済学部卒業。三菱総合研究所入社、経済調査部、ロンドン駐在員事務所長兼駐在エコノミスト、経済調査部長などを経て、同志社大学大学院ビジネス研究科教授