中国減速が実体経済と金融の両面から市場を揺さぶっている。利上げ開始が秒読み段階に入った米国の存在が、事態をより複雑化させている。
人民元切り下げの核心は、実は、元危機につながり、さらに米国債売りを誘発する可能性を秘めることをカバーストーリーで解説。また、米国利上げ時期予想を内外の有力エコノミストにアンケートするなど中国の景気減速と米国の利上げの影響を総点検する一大特集です。
本書は週刊エコノミスト2015年9月22日号で掲載された特集「世界がおびえる中国と利上げ」の記事を電子書籍にしたものです。
目 次:
はじめに
第1部 中国大減速
・チャイナ・ショックの核心 人民元危機と米国債の爆売り
・日本株 アップル急落が関連企業に波及
・地方債務 財政にかっての余裕はなし
・一党独裁の限界 政治改革なき市場経済化のジレンマ
・習近平政権 「新常態」の中国の政局「非常事態」
・スマホ 上期の販売台数は前年割れ
・鉄鋼 中国発「鉄冷え」の危機
・韓国 リーマン・ショック超える輸出急減
・自動車販売市場 成長鈍化で外資大手が急減速
・激震・新興国
・脆弱な5カ国 資源国の南ア、ブラジルに打撃
・東南アジア アジア通貨危機以来の通貨安
・金融政策 景気対策と金融自由化を両にらみ
・プロが注目する!中国経済の実像を知るための統計・指標
第2部 米国利上げリスク
・為替リスク 利上げはドル安の引き金に 元安、円高、ユーロ高へ
・低失業率・低インフレ 利上げの条件は満たしていない
・米国利上げリスク クレジットバブルのチキンレース
・本誌独自アンケート 有力エコノミストの16年末米金利予想
・コモディティー ドル高、原油安、中国減速の悪循環