韓国経済が異変に見舞われている。中国経済の減速などの影響を受け、現代自動車など韓国経済の柱だった輸出が打撃。サムスン電子など財閥企業にはかつての勢いに陰りが見える。
日本企業か韓国企業かの選択を迫られたロッテのお家騒動、POSCO(ポスコ)と新日鉄住金の「技術盗用」問題、そして緊張する南北関係や朴政権の中国寄りの外交戦略など、韓国の経済・政治・社会・外交のホットなテーマを網羅し、その実情に迫った。
本書は週刊エコノミスト2015年10月20日号で掲載された特集「韓国の限界」の記事を電子書籍にしたものです。
目 次:
はじめに
・中国減速、ウォン高、資源安... 韓国企業を襲う複合ショック
・手詰まりの金融政策 史上最低1・5%に利下げ 家計負債が増加の副作用
・スマートフォンの不振 サムスン電子 半導体〝一本足打法〟の危うさ
熾烈なサムスン入社試験 問題集や対策塾まで登場
後継者移行へグループ再編 李在鎔氏に問われる経営手腕
・「技術盗用」に決着 ポスコが新日鉄住金と和解 300億円支払いで赤字確実
・「お家騒動」の波紋 「韓国企業」か「日本企業」か ロッテグループが迫られた選択
・韓国国債格上げのナゼ? 対外脆弱性改善で「日本越え」 成長率見通し低下の背景も
・厳しい若年層雇用 失業率は9%に急上昇 中小企業の吸収進まず
・緊張する南北関係 「吸収統一」公言する朴政権 北朝鮮は一触即発を直前で回避
・中国への接近 抗日式典に出席した朴大統領 狙いは北朝鮮への影響力活用