3月の全国人民代表大会(国会に相当)で大規模な改革を打ち出した習近平政権。だが、共産党の一党独裁体制という構造的な問題を抱えており、その実効性は不透明だ。さらに中国経済の混迷が深まれば、その余波は世界に及ぶ。
本書は週刊エコノミスト2016年4月12日号で掲載された特集「どん詰まり中国」の記事を電子書籍にしたものです。
目 次:
はじめに
・政府の恣意的改革の限界 ゾンビ企業は生き延びる
・インタビュー 津上俊哉 現代中国研究家・津上工作室代表
「中国は投資バブル後遺症 早期底打ちは期待できない」
・香港の書店関係者失踪 言論統制強める習政権
・共産党政権の限界 強まる習主席の神格化運動
・押し寄せる過剰 増加する「チャイナリスク倒産」
・人民元の罠
中国が陥った国際金融のトリレンマ
ビットコインで進む資本逃避
・インタビュー パトリック・ウォン(王偉全)HSBC中国事業開発部長
「中国の資本市場に海外マネーを呼び込もうと規制を緩和」
・五大過剰
自動車 常態化する「値引き競争」
不良債権 「影の銀行」分含め10兆元超か
鉄鋼 投機買いでゾンビ企業延命
不動産 大都市住宅バブル
液晶パネル 値下がりに歯止めかからず
【執筆者】
松本惇、中川美帆、阿古智子、
興梠一郎、友田信男、竹中正治、
矢作大祐、野呂義久、関辰一、
黒澤広之、安田明宏、津村明宏、
週刊エコノミスト編集部