編集長後記
2000年に「介護の社会化」をうたいスタートした介護保険制度が危機に瀕(ひん)しています。
利用料2割負担の対象拡大や、介護老人保健施設の多床室の有料化など、反対世論で昨年は見送った介護保険の負担増を年末までに審議会で決めようとしています。
物価高に年金の目減り、医療保険料アップなどが続き、現在でもサービスの利用を控える高齢者は少なくありません。これ以上の負担増は本人だけでなく家族の負担も増やし介護離職を誘発します。
「ひどくなってきている制度だが、それでも守らなければならない」と上野千鶴子さんは訴えます。私自身も介護保険制度に助けられた身。声を上げ続けたいと思っています。
(藤後野里子)