編集長後記
今号でジャーナリストの森健氏はジャニーズ性加害事件の本質について、東山新社長の発言に言及しながら「閉鎖的」と喝破しました。それが数十年に及ぶ被害を拡大させたといいます。2000年代初めに『週刊文春』がジャニー氏の性加害報道をしていた頃、私は別の大手芸能事務所の取材をしていました。芸能界のカラクリの一端を垣間見たのですが、性加害事件には視界が及びませんでした。痛恨です。
芸能界の特異性は生身の人間を「商品」にしていること。その意味で社会をリアルに映す鏡です。ジャニー氏はその「商品」を所有物と見なしていた。まずは、真摯(しんし)に活動をしているタレント、ファンのためにも社名変更は急務でしょう。
(城倉由光)