編集長後記
英語の「ナラティブ」をご存じですか? 物語、語り、ストーリーといった意味を網羅する言葉です。
毎日新聞編集委員の大治朋子さんの『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』(小社)が刊行されたのを機に、今号で石戸諭さんが大治さんにインタビューしました(「挑む者たち」)。私たちは生活する中で、各人が何かしらのストーリーを組み立てて暮らしています。つまり、ナラティブを土台に生きている。ところがデジタル社会になってナラティブとSNSを組み合わせた心理操作の脅威が語られ、社会を分断する状況さえ生まれています。一体、どうしたらいいか。そのヒントが記事に詰まっています。
(城倉由光)