トランプ米大統領誕生で、「自主防衛」「九条改正」の議論、待ったなし!
両派の最強論客が、「天皇制」「歴史問題」「憲法九条」「日米関係」等をテーマに、日本の正義と真理を追求した白熱の9時間!
井上達夫(東京大学教授)は日本法哲学界の最高権威で、「岩波哲学・思想事典」の「自由主義」の項を執筆したリベラリズム論の第一人者。「日本的リベラル」の偽善を指弾し、公正と正義を礎とする真のリベラリズムを提唱する。
対する小林よしのりは、「東大一直線」「おぼっちゃまくん」などギャグ漫画のヒットメーカーであると同時に、明快な論理と絶妙な表現力を駆使した「ゴーマニズム宣言」で大きな影響力を誇る保守の論客。
思想と立場は違えど、民主主義の根本は「議論」だ、という点で一致する二人。胸襟を開き、日本の現下の重要問題について意見をぶつけ合った。
井上教授の「九条改正案」と改正の実践戦略、初公開!
●第1部「天皇制――理念か伝統か」
今上天皇の「生前退位」の意思表示で焦点化している天皇制。井上は人権の観点から天皇制の廃止を唱える。小林はこれに真っ向から反対し、天皇がいかに日本の道徳性を保っているかを熱弁する。天皇ではなく「法の理念」が社会秩序の基礎になるべきだ、という井上。「理念」は大衆社会の歯止めにならず、伝統に根づいた天皇と皇室が必要だという小林。戦後知識人の天皇制論を振り返り、リベラルと保守の対立を鮮明にしつつ議論は白熱する--
●第2部「歴史認識を問う」
日本の「戦争責任」をめぐって近隣諸国とくすぶり続ける歴史問題。正義の観点から、日本はアジアに対する加害者性を認識すべきだ、とする井上。昭和天皇の戦争責任も認め、戦後に退位すべきだったと主張。小林はこれに全面的に反論。自主防衛をしていた先祖に対して、自主防衛をしていない我々が倫理的高みに立ったつもりでものを言うべきでない、とする。昭和天皇や慰安婦問題などについても両者の考えの違いが鮮明になる--
●第3部「憲法九条と思想の貧困」
憲法問題、特に九条は、国民全員の命にかかわる安全保障問題であり、右派と左派、保守とリベラルが真摯に対話すべき重要問題だが、長年「改憲派」と「護憲派」が不毛な対立を続け、まともな議論を阻害してきた。井上は、「リベラル」を自称する護憲派の欺瞞を非難し、自らの九条改正案を提示。小林も米国追随の「自称保守」を糾弾し、ポジショントークに終始する言論人やメディアの問題を、井上と共に具体的に指摘してゆく--
井上 達夫
いのうえ たつお/1954年、大阪生まれ。東京大学法学部卒。現在、東京大学大学院教授(法哲学)。サントリー学芸賞、和辻哲郎文化賞などを受賞。2009~13年、日本法哲学会理事長。
『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』は東大(本郷)で人文書の年間ベストセラー1位になるなど話題に。
小林 よしのり
1953年、福岡生まれ。漫画家。大学在学中に「東大一直線」でデビュー。「おぼっちゃまくん」で小学館漫画賞受賞。「ゴーマニズム宣言」で一躍、保守の代表的論客となる。
『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』は累計160万部突破のベストセラーになった。