書籍

社会・政治・歴史
電子書籍
となりの史学 戦前の日本と世界
著者  加藤 陽子 モリナガ・ヨウ(絵)
発売日:2025年5月29日
ISBN:978-4-620-55023-7
判型:四六判
頁数:320頁
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書影:となりの史学 戦前の日本と世界
定価:2200円(税込)
電子書籍版定価:2200円(税込)
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第二次世界大戦に突き進む世界。
なぜ戦争は避けられなかったのか。

日本近現代史の視点で世界史を横断し、「世界の中の日本」を捉え直す。

本書では、近代の「戦争」と「世界」について、世界の第一線で活躍する歴史学者らが考え尽くした研究成果をわかりやすく解説。
近代日本が戦争を交えた相手国【中国、ロシア、英国、ドイツ】との二国間での歴史共同研究をもとに、戦争終結後の和解と共存の真の方向性を探る。
戦争に至る過程で双方に起こっていたことは何であったのか、双方の国家の指導者の意図や社会を構成する人々の意識はいかなるものであったのかについて、現時点で利用可能なあらゆる史料や記録によって明らかにする。
日本近代史をはじめ、隣接領域である西洋史、東洋史、グローバルヒストリーなどの世界史の面白さを堪能。歴史学者と手描きイラストルポライターによる類を見ない画期的な一冊!

【著者紹介】
加藤陽子(かとう・ようこ)
1960年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。
1989年、東京大学大学院博士課程修了。山梨大学助教授、スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員などを経て現職。専攻は日本近現代史。2010年、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)で小林秀雄賞受賞。『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版社)で紀伊國屋じんぶん大賞2017受賞。著書に『模索する1930年代[新装版]日米関係と陸軍中堅層』(山川出版社)、『戦争の日本近現代史』(講談社現代新書)、『天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀』(講談社学術文庫)、『戦争の論理 日露戦争から太平洋戦争まで』『天皇と軍隊の近代史』(以上、勁草書房)、『満州事変から日中戦争へ』(岩波新書)、『この国のかたちを見つめ直す』『歴史の本棚』(以上、毎日新聞出版)などがある。

モリナガ・ヨウ
1966年、東京生まれ。画文家、イラストレーター、絵本作家。
早稲田大学教育学部地理歴史専修卒業。学生時代は漫画研究会に所属。大学在学中よりカットイラストの仕事を始め、イラストルポで独自の世界を築く。著書に『新幹線と車両基地』(あかね書房)、『ワールドタンクミュージアム図鑑』『迷宮歴史倶楽部 戦時下日本の事物画報 [新装版]』(以上、大日本絵画)、『図解絵本 東京スカイツリー』(ポプラ社)、『築地市場 絵でみる魚市場の一日』(小峰書店、第63回産経児童出版文化賞大賞を受賞)、『らんらん ランドセル』(めくるむ)、『ぐるーり すいぞくかん』(ほるぷ出版)、『東京大学の学術遺産 捃拾帖』(メディアファクトリー新書)など多数。

目次

第1章 日中の戦争観――歴史認識を問い直す【日本と中国1】

●海の向こうは……世界の中の日本と中国

●重慶で私も考えた 中国重慶の国際会議で触れた中国研究の最前線

●自国の利己追求に歴史が「使われる」時代

●敗者の帰還と満洲体験 帰還者は帝国崩壊をどう捉えたか

●中国と中国人にとっての1945年



第2章 競存から緊張へ変化した日中関係――私たちは今、何をすべきか【日本と中国2】

●苦難の中の日中関係 対立と共存

●日中関係、どこからやり直すか

●歴史の中に存在する多彩な中国像

●日本・中国・台湾 三国関係を追う

●世界政治を揺るがした「田中上奏文」の謎に迫る

●「田中上奏文」はどのようにして作られたか



第3章 西洋と東洋を結ぶ架け橋へ――何が日ロ関係を転換させたか【日本とロシア】

●ロシアが残した日本史への刻印

●花も実もある日露関係 拮抗する二国関係において「真実ならざるもの」を見抜く

●日本とソ連、それぞれの1930年代

●ソ連と日本 タフな交渉と戦争の時代

●ロシアの対日参戦の正当性を探る

●日ロの類似点が導く対ロ交渉の到達点

●帝政ロシアからソ連を経てロシアへ



第4章 明治日本はイギリスに何を求めたのか――日本人の英国観の変遷【日本と英国】

●一つに収斂(ルビ:しゅうれん)しない日英関係の姿

●ギャップに満ちた日英関係

●現代の米中対立と戦前の日英攻防

●戦後ロンドン金融市場の変容

●イギリスの平和思想と国際連盟への期待



第5章 東アジアの国際情勢にみる日独関係――「同盟」の真のかたちとは【日本とドイツ】

●東アジア情勢の中で語られる日独関係

●日独関係における相互イメージ

●日本とドイツ、人と技術の交流

●長期政権を築き、新時代を拓いた桂太郎

●桂太郎の複眼的思考を書翰から読み取る