民主党候補が多数名乗りをあげ、大統領選挙が本格的にスタートしたアメリカ。4年前、ドナルド・トランプが当選してから、アメリカの国内の政治状況は一変した。
著者は、アメリカの代表的な新聞、「ニューヨーク・タイムズ」紙の社内弁護士。記者たちが日々取材してくるネタについて、様々なアドバイスを行ってきた。大統領から名誉棄損で訴えられるかもしれないニュースを報じるべきか、見送るべきか。 ...そんなニュース編集室の議論の内側を描く。
格差が大きく、社会が分断されているといわれるアメリカで、なぜ今も新聞の報道が支持を得るのか。彼らのしなやかさと、行動の基本にある「憲法修正第一条」――「言論・出版の自由」を追った1冊。
《目次》
序章
第1章 大統領選挙の日
第2章 認識ある過失
第3章 謎の郵便物と裁判所にある箱
第4章 税の日
第5章 非公式会見の日
第6章 私たち対アメリカ
第7章 漏洩警察
第8章 中傷のドン
第9章 フェイクなフェイクニュース
第10章 不安定
第11章 ワインスタインとその仲間
第12章 FOIAの国のアリス
第13章 トラブルだらけの世の中
第14章 ある朝の手紙
あとがき 憲法修正第一条は死んだ──恋愛物語
《著者紹介》
デヴィッド・E・マクロー
David E. McCraw/1954年生まれ。イリノイ大学卒業。コーネル大学大学院、オールバニ・ロースクール修了。「ニューヨーク・デイリーニューズ」紙の法務部門を経て、2002年より「ニューヨーク・タイムズ」紙の副法務担当役員として、名誉毀損、情報公開などに関する訴訟を手がける。2016年10月ドナルド・トランプ氏の弁護士に対し、同紙の権利を擁護する手紙を執筆。文面が公開され話題になる。ニューヨーク大学ロースクールの客員教授、ハーバード・ロースクールの客員講師も務める。
《訳者紹介》
日暮雅通
ひぐらし まさみち/1954年生まれ。青山学院大学卒業。英米文芸・ノンフィクション翻訳家。日本推理作家協会会員。おもな訳書に『未解決事件 死者の声を甦らせる者たち』(柏書房)『最初の刑事──ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』(早川書房)『図説 図書館の歴史』(原書房)『キャプテン・クック 世紀の大航海者』(東洋書林)『テクノロジーとイノベーション』(みすず書房)『ディープ・シンキング 知のトップランナー25人が語るAIと人類の未来』(青土社)など多数。