停滞する日本への緊急提言
岐路に立つ資本主義。必定の南海トラフ大地震
経済成長なき時代を生き抜くために
解剖学者と地域エコノミストが語りつくした
「いま私たちにできること」
第1章 経済と政治の戦い
成長とは何だったのか/経済成長という強迫観念/盧溝橋事件/お金と権力/誰が政治を動かすのか/経世済民/意味と解釈/外に出る脳/違和感の正体/自民党は日本そのもの/他人を働かせる/固定された階級/見てわからないことは
第2章 大地震に備える
必ず起こる/リニア中央新幹線/何が起こるのか/噴火の可能性/生き残ったほうが大変/ライフライン/横浜の問題/復興資金/田舎で暮らす/人口減少への覚悟/日本への移民問題/島根の人口密度/次は東海道/原発の憂鬱
第3章 循環再生で自足する地域
新しい資本主義/お金に変わった人間関係/「自足できない」は本当か/政治の出番/封建的なるもの/変化を阻むもの/変化の予感/人格分裂/農薬と発達障害/完全な自然農法/自然に対するには
第4章 教育問題の奥へ
明治から続く問題/文化は「接合」できるか/和は乱れたまま/日本とロシア/大地震の後に/英語教育/個性の教育/親と先生が変わると/教育の何が変わったか/旧統一教会/あなたが行けばいいのに/「みんなで考える」がわからない/みんなで考える/若者を自殺させる社会/日本人は生きていない/身体について考える/のんきに生きる
第5章 日本人の生き方
瓦礫はどこへ/山を削る/地主の声/踏み込んで考えてみる/戦争の形/大切なのは災害後/なぜそう思うのか/事実に興味を持たない人/アリを極める/現場を見ること/理屈と膏薬/空気は切れない/常識を磨く/混んでいる銭湯
養老孟司(ようろう・たけし)
1937年神奈川県生まれ。東京大学名誉教授。医学博士。解剖学者。『バカの壁』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。『唯脳論』『「自分」の壁』『遺言。』『老人の壁』(南伸坊氏と共著)『虫とゴリラ』(山極寿一氏と共著)『虫は人の鏡 擬態の解剖学』など著書多数。
藻谷浩介(もたに・こうすけ)
1964年山口県生れ。地域エコノミスト。東京大学法学部卒業。日本総合研究所主席研究員。平成大合併前の約3200市町村のすべて、海外114カ国を私費で訪問。地域特性を多面的に把握し、地域振興や人口問題に関して精力的に研究、執筆、講演を行っている。『デフレの正体』『里山資本主義』『世界まちかど地政学』など著書多数。