2022年2月24日に始まったウクライナ侵攻から、1年。
終わりが見えない戦争の真の原因とは?
ロシアの本心と、ウクライナの内情。
あの時、世界は戦いの兆候を見逃していたーー
ウクライナ東・南部は、ロシア系の住民が今も多く住む。2014年、ロシアはウクライナ南部のクリミア半島を武力で併合。しかし、それに対して欧米各国は強い態度で臨まなかった。ウクライナの内部から沸き起こる、ロシアへの強い郷愁。プーチン大統領が持つ、ロシアとウクライナはひとつという「物語」。そして、ゼレンスキー大統領登場までの国内の混乱。2022年の戦争へと至る道すじを説き起こす。
【著者紹介】
大前 仁(おおまえ・ひとし)
1969年東京生まれ。明治大学卒業、ジョージ・ワシントン大学大学院修了。1996年より日本経済新聞アメリカ社に在籍し、ワシントン支局でアメリカ外交や内政を担当。2003年に毎日新聞社に入社。2008~13年、2018~20年に続き、23年1月から3回目のモスクワ支局勤務中。旧ソ連諸国の情勢や日露関係を取材する。著書に『ボリショイ卒業 バレエダンサー岩田守弘 終わりなき夢の旅路』(東洋書店新社)がある
目次
序章 なぜロシアを批判しないのか
第1章 引き裂かれた国境
2019年2月末@ウクライナ南部クリミア
第2章 勝者が語る真実とは
2019年2〜3月@クリミア
第3章 要塞と化した半島
2019年3月@クリミア
第4章 北方領土とクリミア
2019年3月@クリミア
第5章 最後の希望はロシアなのか
2019年3月@ウクライナ東部ドネツク
第6章 戦争で失った味覚
2019年3月@ドネツク州マリウポリ、ドネツク
第7章 引き裂かれた東と西
2019年3月上旬@ドネツク、西部リビウ
第8章 ゼレンスキーの登場
2019年2〜4月@キーウ、東部クリボイログ
第9章 拭えないロシアの影
2019年7月@ウクライナ東部クラマトルスク、マイオルスク村
第10章 核を捨てなければ
2019年11月@ウクライナ東部パブログラド
第11章 教会を巡る争い
2018年11月@ウクライナ西部リブネ州ラーチン
最終章 2022年への道
あとがき