高等小学校卒の土建業者と東京帝大卒のエリート官僚、陸軍二等兵と海軍主計中尉、親・吉田茂と反・吉田茂、「日本列島改造論」と「戦後政治の総決算」――同じ年に政界デビューしながら、あまりに対照的な角栄と中曽根。
だが、「永遠のライバル」と呼ばれた二人は、知られざる「点」と「線」で結ばれていた。
元番記者、早野透と松田喬和だからこそ知り得たその足跡が、角栄の没後二三年を経て、初めて明かされる。それは格差と閉塞感を生む安倍政権への強烈な異議申し立てでもあるのだ。
九八歳の大勲位、中曽根の「現代政治批判」と、現代によみがえる角栄の「共生思想」を通じ、戦後保守の可能性を語り尽くす。
二大政治家をめぐる初の本格対談。