「サラエボ事件に株式市場は無反応だった」
誰も戦争が起こるとは思っていなかった。技術の発達とさまざまなイノベーションで世界がつながった「第一次グローバリゼーション」の時代に、世界はなぜ戦争に突入したのか? 第一次世界大戦(1914~1918)と開戦にいたるまでの時代を、日本人の視点から丹念に追った類をみない通史。『金融の世界史 バブルと戦争と株式市場』(新潮選書)で話題の著者が、産業史、金融史といった独自の切り口から、未曽有の大戦の全貌を浮き彫りにする。週刊「エコノミスト」人気連載の単行本化。
現代にも続く中東や東欧の問題、民族主義、日中外交、覇権交代の可能性、多くの事象はそれぞれの歴史の糸を手繰っていくと第一次世界大戦でひとつの束になっていることにきっと気づくでしょう。この本は100年前の出来事に対する、世界と日本の知識のギャップを埋めることを試みた、日本人のための第一次世界大戦の入門書です。(本文より)
目次
第1章「戦争技術の発達」著者について
いたや としひこ/1955年西宮市生まれ。関西学院大学経済学部卒業。石川島播磨重工業船舶部門を経て日興証券へ。ウォール街勤務が長い。その後内外大手証券会社幹部を経て、2006年にヘッジファンド設立。現在作家として活動している。日本金融学会会員、明治大学株価指数研究所アドバイザー、早稲田大学社会人講座講師。著書に『日露戦争、資金調達の戦い』、『金融の世界史』(ともに新潮選書)、共同翻訳に『プログラム・トレーディング入門』日本経済新聞社。