データ監視が人間を無力化し、民主主義を破壊する。
監視研究の第一人者が、2017~18年に公開された「スノーデン・ファイル」日本関連文書を解読。
自らの取材成果と照合しながら、対米従属下で日本が強行する市民監視の実態を告発し、防衛省、自衛隊、警察、内閣情報調査室、そして民間企業が一体となった戦慄すべき情報操作の全体像をあばく。
ネット監視はこうして日本で始まった――。
目次
序 章 見えない監視と新しい情報統制著者について
1970年横浜市生まれ。ジャーナリスト、社会学者。94年早稲田大学法学部卒業、朝日新聞入社。社会部記者として、戦後補償、沖縄米軍基地、盗聴法や住民基本台帳ネットワークなど監視社会問題について報道。2004年米スタンフォード大学でフルブライト・ジャーナリスト研修、朝日新聞退社。05年からカナダ・クィーンズ大学大学院(修士課程)で監視研究の先駆者ディヴィッド・ライアンに師事。16年アメリカの世界監視システムを内部告発したNSA元契約職員エドワード・スノーデンに、日本人ジャーナリストとして初の単独インタビュー。18年同大学院で、近代日本の国民識別制度と植民地監視システムに関する論文で社会学博士号を取得。現在、オタワ大学特別研究員。著書に『スノーデン、監視社会の恐怖を語る』(毎日新聞出版)、『共通番号制度〈マイナンバー〉なんていらない!』(共著、航思社)、訳書にライアン『監視スタディーズ』(共訳、岩波書店)など。