秀吉晩年の文禄・慶長の役は歴史的快挙か天下の愚策か――
舞台は、大坂、京。そして狂乱の名護屋へ。
朝鮮出兵をめぐる圧倒的人間ドラマ!
16世紀末、二度にわたって繰り広げられた文禄・慶長の役。なにゆえに、天下人・秀吉は晩年に朝鮮を目指したのか。いまだ諸説粉々、日本史上最大級ともいえるこの謎を俯瞰の視点で解き明かす!この戦のために造成され、わずか6年半で役割を終えた都・名護屋の姿と秀吉に巻き込まれていく人々の内面を鮮やかに描いた歴史長編。
秀吉暗殺を企てる若き朝鮮人陶工、カラク。神出鬼没の謎の女性、草千代。
博多復興に身命を賭す豪商・神屋宗湛。出兵の先駆けを務めるキリシタン大名・小西行長。
そして、秀吉なき世を構想する徳川家康......。朝鮮出兵に沸く都・名護屋で各々が思惑を抱えて問う。「なぜ、秀吉は」
解説 木下昌輝(作家)