「道連れ稼業は、冗談抜きの命懸けの仕事でござんすよ」
江戸の旅情あふれる傑作時代小説!
この娘はもめごとの種になる――
素性も分からぬ美少女の道連れ(付き添い)で
中山道を旅する彦輔を数々の難関が待ち受ける。
「この仕事は、ただ剣の腕が立つだけでは、務まらんのよ」。鹿角(かづの)彦輔は、手間賃さえ出れば細かい事は穿鑿しない「道連れ(付き添い)」稼業。江戸小人目付け・神宮より請け負ったのは、口のきけない美少女菊野の道連れだった。目的も娘の正体も知らされぬまま、中山道を進む一行に怪しい影がつきまとう。予測不能の長い旅が始まる!
口絵・挿絵 深井国