甲子園野球の陰に彼らあり。グラウンドの匠達の物語。
なぜ甲子園のグラウンドは日本一なのか。
悪天候にも重機の轍(わだち)にも負けない、グラウンド整備の代名詞、阪神園芸。
日本野球界が誇る技の神髄が、今、待望の文庫化!
この本のタイトルには、「神」なんて言葉が使われているが、私たちはそんなたいそうな存在ではない。むしろ、球場を整備する、地味な裏方だ。それでも、特にあの日以来、陰で働く私たちに目を留め、「神整備」と呼んでくれる人たちがいる。そんな阪神園芸グラウンドキーパーの仕事を紹介するのが本書だ。(「はじめに」より)
◆著者略歴
金沢健児 (かなざわ・けんじ)
1967年6月6日、兵庫県神戸市生まれ。グラウンドキーパー。阪神園芸株式会社スポーツ施設本部甲子園施設部長。球場職員だった母親に連れられ、幼いころから甲子園での試合を観戦。中学・高校時代から、アルバイトで甲子園のスコアボードの作業やグラウンド整備に携わる。会社員を経て、20歳のときに阪神園芸に入社。藤本治一郎氏、辻啓之介氏といった伝説のグラウンドキーパーたちのもとで経験を積む。2003年7月からチーフグラウンドキーパー。グラウンドキーパーのチーム化、作業の効率化をはかり、阪神タイガースの監督や選手のみならず、広く野球ファンの絶大な信頼を得ている。
目次
はじめに
第1章 グラウンドキーパーの正体
グラウンド整備のプロ/阪神園芸の強み
第2章 「神整備」は一年がかり
土は生き物/クオリティーを保つ秘訣/グラウンドはオーダーメイド/雨の日が勝負どころ
第3章 甲子園と共に生きてきた
甲子園に入り浸る小学生/グラウンドキーパーへの道のり/失敗と試行錯誤/チーフの気づき
第4章 チームで継承する職人技
グラウンドキーパーの適正/一流の育て方/職人のチーム化/効率が第一/開き直り力/陰の職人の心得
おわりに