世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。
名を変え他人になりすまし、
"無実"の彼女はなぜ逃げ続けたのか?
1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の"罪"とはいったい何だったのか――。
目次
第一章 半醒
第二章 母と娘
第三章 鬼神町
第四章 カラスウリ
第五章 悔恨の記
第六章 産声
最終章 罪の名前