父の国の大空襲が、
母の国の都を焼き尽くす。
家族を守り切った
14歳の少年の力とは――
読み継がれる新たな3.10の物語
人間には忘れてはいけないことがある
(あらすじ)
太平洋戦争が激化する一九四五年、東京下町の春。敵国アメリカ人の父を持つ14歳のタケシは、学校や軍需工場でいじめの標的にされていた。空腹で苦しい日々にも親友、家族、初恋と、かけがえのない時が訪れるが、儚い夢を描く少年の頭上に、ついに焼夷弾が降り注ぐ......若者のリアルを見つめる著者が祈りを込めて描く、少年たちの戦争。