分断された世界に抗う男女の怒濤のラブストーリー!
落ちぶれた映画監督の前に突然現れた北の女密使。
出会うはずのない二人が、国家を揺るがす〈禁断の事実〉を追う。
いまから話す内容を決して口外してはならない――
大麻取締法違反で起訴され、初監督作品はお蔵入り、四十を前にキャリアを失い派遣仕事で糊口をしのぐ横口健二に舞い込んできたのは、一冊の映画雑誌を手に入れるという謎の「極秘任務」だった。
横口は北朝鮮からの"名前のない女"とともに、禁断の世界に足を踏み入れていく。
一触即発のリアルな国際情勢を背景にくりひろげられるスリルと〈愛〉の物語。
朝日、読売、毎日、日経、産経、共同通信、南日本新聞、山形新聞、週刊現代、婦人公論、文學界ほか各紙誌で大反響!!
「リアルな国際政治状況を踏まえながら、こんな荒唐無稽で痛快無比な、一風変わった小説を書けるのは、阿部だけだろう」――佐々木敦(「週刊現代」)
「熱量あふれるエンターテインメントの大作だ」――久保陽子(「南日本新聞」)
「いかにもなフィクション的要素と史実を接続、融合させるのが阿部和重の面目躍如」――江南亜美子(「朝日新聞」)
「...これは阿部版『愛の不時着』かとも思わせる純愛物語になり、ほろりとさせられてしまう」――中条省平(共同配信)
「出会うものの一つずつは薄っぺらなのに、気づけば厚みが生まれる。つまり、この物語は人生そのものを描いている」――読売新聞