平和的開国に尽力した知られざる異能の行政官。その不屈の生涯。
開国か戦争か。いち早く「黒船来航」を予見、未曽有の国難に立ち向かった伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍。誰よりも早く、誰よりも遠くまで時代を見据え、近代日本の礎となった希有の名代官の一代記。明治維新から150年。新たな幕末小説の誕生。
『武揚伝』『くろふね』に続く、幕臣三部作、堂々完結!
【江川太郎左衛門英龍 1801-1855】
伊豆韮山の世襲代官だったが、「黒船来航」の十年以上前から幕府に海防強化の建議を繰り返し、ペリー来航時には海防掛に任命され、江戸湾台場築城を指揮した。