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小説・評論
電子書籍
私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集
著者  小熊 英二
発売日:2016年6月24日
ISBN:978-4-620-32384-8
判型:四六判
頁数:320頁
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書影:私たちはどこへ行こうとしているのか 小熊英二時評集
定価:1980円(税込)
電子書籍版定価:1980円(税込)
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【概要】
東日本大震災により社会変化が顕在化した。「私たちのこれから」をめぐり、各地で次の時代に向けた新たな試みがいくつもはじまっている。鈍さが目立つ政治に対しては、デモが全国でおこり、国会周辺で人々が声を上げる姿は日常となった。過疎化と人口減、経済閉塞、ポピュリズム、東京五輪、改憲、マンガ産業などを包括的な時代把握、冷徹な視線で読みとく。
2011年から15年までの寄稿、講演などから抜粋した小熊英二時評集。『私たちはいまどこにいるのか』(2011年 毎日新聞社)に続く待望の第2弾。

【抜粋】
「たった一人でも、『この意見はわれわれを代表している』と思われれば、社会が動くこともあるのです。」「保守派で再軍備しようと言っていた人たちの論調を見ると、じつはほとんど侵略の可能性の危機感を持っていない」「誰もが身近で決定に直接参加できるためには、決定権と財源のある単位を数千人とか数万人レベルに小さくする方がいい」「中高年の政治家やマスコミの男性が、変化に追いついていない。恐らく東京は、ここ20年の世界の中で、最も変化してない都市だ」「今後、自民党政権がまた50年続くと思う人はいない」「家族もお金も、自由も出世も、戦争になったら全部崩れてしまった。平和が全ての前提だ。それが社会的合意だった時期があった」

【目次】
〈1章〉
凡庸でナンセンスな領土問題
東京五輪 いくつかの懸念
外国語不要 国内依存の日米経済
経済成長で強まる伝統
若者のモラルに甘える企業
上に優しく下に厳しい社会保障
デモは「日本のあり方」全体への抗議
デモは日本社会に定着
総選挙最終日の秋葉原で「日本を、取り戻す。」
それでも社会は変わる 直接参加の回路を
選挙で社会は変わりますか?
「社会が変わる」とはどういうことか
「ポピュリズム」批判は意味がない
「橋下徹」はグーグルである
「よくない民主主義」?
「現実的な」な戦後70年談話のあり方
利益誘導は機能不全 沖縄の基地は削減可能
構造的変化をふまえた外交を
「いちばん大切なもの」に共通した答え
安全保障法制を腑分けする 国民的議論させなかったツケ
変わる社会、変われない政治
あなたの頭の中以外、社会は変わっています
〈2章〉
島根の軽トラ市 地域の悩みチャンスに
廃校利用宿舎 地元愛で持続
水俣 「環境モデル都市」へ転換模索
社会的分断としての「水俣病」
社会保障 全員無差別が効率的
「東京の限界集落」 住み続けられる仕組み
地域の絆残る朝鮮学校
保護者運営の学童クラブ 参加意識高い「共同体」
山や川で遊べない理由とプレーパークの意義
社会的起業家が集う場所 「政府にお任せ」では限界
誰でもできる社会運動、太陽光発電
儲からない事業 地域の信用に根ざし担う
医療と社会ってどんな関係なのですか?
〈3章〉
憲法九条
保守とリベラル
「六八年」と「八九年」
「法」の原理と未来
改憲論の潮流
日本とドイツ 異なる戦後史
ある日本大衆文化の形成 戦後日本社会におけるマンガとアニメ
「本が売れた時代」は一時の夢

著者について

小熊 英二

おぐま えいじ/1962年、東京生まれ。1987年、東京大学農学部卒業。出版社勤務を経て1998年、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教員。
◇著作
「単一民族神話の起源」(新曜社)、「<日本人>の境界 沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮」(新曜社)、「<民主>と<愛国> 戦後日本のナショナリズムと公共性」(新曜社)、「対話の回路 小熊英二対談集」(新曜社)、「1968」(新曜社)、「私たちはいまどこにいるのか 小熊英二時評集」(毎日新聞)、「「東北」再生」(イースト・プレス、赤坂憲雄氏・山内明美氏と共著)、「社会を変えるには」(講談社現代新書)、「平成史」(河出書房新社)、「生きて帰ってきた男 ある日本兵の戦争と戦後」(岩波新書)、「アウトテイクス 小熊英二論文集」(慶應義塾大学出版会)ほか。