なぜストーリーありきの捜査は止まらなかったのか?
警察庁長官狙撃事件、大川原化工機事件にみる警察組織の‟失敗の本質"
不正輸出の濡れ衣で社長ら3人が逮捕されるも、初公判直前に起訴取り消し、その後の国賠訴訟では捜査員からの「捏造」発言も飛び出した大川原化工機事件、真犯人が名乗り出て、それを裏付ける客観証拠があったにもかかわらず、立件せず公訴時効を迎えた警察庁長官狙撃事件――。
警察庁公安部が捜査した、これら二つの事件に共通するのは、功(逮捕)を焦り、一度決めた方針を改めず、そのまま「失敗」の道へ突き進んだ点にある。本書では、期せずして公安が関わった二つの事件を追いかけることになった記者がその取材の一部始終を公開。そこで見えてきた権力の"失敗の本質"とはいったい何だったのか。
目次
序章 法廷で飛び出した爆弾発言
第1章 未解決事件の真相を追う
第2章 公安と特命捜査班
第3章 なぜ事件はつくられたのか
第4章 公安に狙い撃ちされた企業と人
第5章 次々浮上する捜査の問題点
第6章 正義のありか
付録