1970年の夏、20歳の著者は日本を飛び出してアメリカ大陸を横断する旅に出た。グレイハウンドバスを乗り継ぎ、活気に溢れるアメリカを肌身で感じる旅であった。
セルロイドの人形などの玩具製造業を営んでいた著者の家には、子どもの頃から外人バイヤーが出入りしていた。長ずるにしたがい「玩具は男のやる仕事なのだろうか」という思いが芽生えた著者は、アメリカである光景に遭遇する。
バスは、ソルトレイクシティのステーションに入り、停止した。アメリカ人の一家がどやどやとやって来て、著者の席の近くに座った。見るともなく見ていた著者は、次の瞬間にハッとした。一家の娘さんが抱えている人形に見覚えがあったからだ。それはまぎれもなく著者の生家の工場で製造されたピエロ人形だった・・・!
大ヒットしたアイドル的存在のぬいぐるみ『モンチッチ』をデビューさせた社長が語る、これまでの人生とビジネス成功の秘けつ。誰の心にも響く、感動の自叙伝。