祝・ノーベル賞受賞!
微生物の中から2億人を救う発見をした化学者の半生。子どもから大人まで幅広い世代の心に響く感動のストーリー!
第1章 「自然が友達」の子ども時代
ウナギとりで知った自然の不思議/甲府盆地の山なみを見ながら育つ/農作業の手伝いで自然現象を学ぶ/馬の背で居眠りしても無事帰宅/養蚕の研究ノートをつけていた母親/おカイコさんのおかげで子どもは全員大学へ/植林の大切さを理解した山仕事/戦争中に英語教育/担任の鈴木先生との思い出/スポーツに明け暮れた中学時代/地元の県立韮崎高校に進学/卓球部とスキー部に入って大活躍/スキーのクロスカントリーに打ち込む/父親の一言で大学進学を決意/山梨大学に合格
第2章 人との出会いで道がひらける
マイスター制度ではじまった大学生活/自宅から大学まで走って通学/「人まねはするな! 」と横山先生から教わる/社会に出てからの5年間が勝負/思いもよらない体育教師への誘い/人は指導ひとつでどんどん向上する/もっと勉強しよう、学び直そう/学び直しはドイツ語から/本格的に化学も学び直す/東京理科大学の大学院に進学/記念式典で祝辞を読む大役を務める/文子さんとお見合い結婚/だったら世界を目指せばいいじゃないか/世界で通用するために英語で論文を書く/夜間高校の先生を辞めてさらに転進/微生物との最初の出合い
第3章 「人の役に立つ仕事をしよう! 」
朝6時に出勤する29歳の新人研究者/「この論文を書いたのは、あなたですか?」/時間も寒さも忘れて研究に没頭/北里研究所を守ろうと決意/そうだ、アメリカに行こう! /ティシュラー教授と運命の出会い/ノーベル賞受賞者とも共同研究/文子さんはキャンパスで人気者/研究費は自分でかせぐ/ アメリカの企業が「大村方式」で協力/起業からの研究費を導入
第4章 ついに発見! 2億人を救う化学物質
「人と違うことをしよう! 」――動物薬の開発/ポケットにはいつもスプーンとビニール 常にチーム全体に目配りをする/研究補助員が見つけた新種の微生物/大村研究室閉鎖のピンチ/世の中を変える微生物を発見! /メルク社で実験がはじまる/ついにエバーメクチンを発見! /エバーメクチンの実験結果/学会をわかせたひとこと/200億円以上の特許料が生まれる/動物に効くなら人間にも! /熱帯地方のオンコセルカ症にも効く/WHOも驚いたイベルメクチンの効き目/蔓延国にイベルメクチンを無料で配布/研究の成果を見にアフリカへ/集落で見たオンコセルカ症の惨状/輝いているガーナの子どもたちに救われる/ストックホルムから1本の電話が!
著者について
ばば れんせい/1940年東京都生まれ。東京理科大学理学部を卒業後、読売新聞社に入社。編集局。社会部、科学部、解説部を経て論説委員となる。2000年に読売新聞社を退社。現在は、特定非営利活動法人21世紀構想研究会理事長、科学技術振興機構(JST)中国総合研究交流センター上席フェロー、全国学校給食甲子園大会実行副委員長。近著に『大村智 2億人を病魔から守った化学者』(中央公論新社)、『青年よ理学をめざせ ~東京理科大学物語~』(東京書籍)、『「スイカ」の原理を創った男 特許をめぐる松下昭の闘いの軌跡』(日本評論社)、『知財立国が危ない』(日本経済新聞社、荒井寿光と共著)など多数。