そこは、わずかな割合で有翼人(イカロス)が生まれる世界の日本――自由奔放な性格の女子高生・自在はるかは、奇跡的に大学に合格して、気ままな学生生活を送ることができると思っていた。
しかし、国会でイカロスを社会的に監視する法案が可決されたことにともない、はるかの合格は無効になり、空を飛ぶことにも政府の許可が必要になってしまう。真綿で首を締めるようにイカロスへの規制が厳しくなっていき、やがてそれは、人間とイカロスとの決定的な対立へと向かっていく。果たして、はるかの運命は!?
2000年にNHK-FMでラジオ・ドラマ化もされた、著者初期作品の傑作が加筆・修正の上、復活!!
著者について
おがわ いっすい/1975年岐阜県生まれ。2004年に『第六大陸』で星雲賞・日本長編部門賞、2007年に『老ヴォールの惑星』で星雲賞日本短編部門賞、2011年に『アリスマ王の愛した魔物』で星雲賞日本短編部門賞、2014年に『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門賞を受賞。宇宙作家クラブ会員。日本SF作家クラブ会員。日本推理作家協会会員。