西暦12050年――人類による核戦争後に、世界に覇を唱えたのは〈貴族〉こと吸血鬼であった。しかし、やがて謎の種的衰退に陥り、塵芥のごとく扱っていた〈人間〉たちの反抗を許すことになる。
いわく〈貴族ハンター〉、いわく〈ハカアバキ〉、いわく〈串刺師〉――そして中でも貴族の憎しみと怒りの対象となったのが、貴族には指一本触れず、その宝物を奪い去る〈拝借屋〉であった。貴族の歴史上はじめて、"お尋ね者"になった泥棒青年・スティールが巻き起こす、痛快アクション!
著者について
きくち ひでゆき/1949年千葉県生まれ。青山学院大学卒業。1982年『魔界都市〈新宿〉』でデビュー後、〈吸血鬼ハンター〉〈魔界都市ブルース〉〈魔界医師メフィスト〉シリーズを積極的に執筆。日本推理作家協会会員。SF・ホラー映画愛好家としても有名である。