新元号「令和」の典拠となった古典をやさしく読み解く。
いまこそ読みたい『万葉集』入門の決定版
「「万葉集」に歌をのこした人は、天皇から大道芸人まで、あらゆる種類の人々である。兵士もいれば遊女もいる。農民も漁師もいる。彼らは心から、歌いたいことを歌う。すべては自己の感動に発している、無償の行為なのだ。そういう点において、「万葉集」は、もっとも本質的な文学のあり方を示す」(著者)
男女の愛、自然との交感、神々への祈りーー生きる喜びと哀しみを歌い、日本人の心の原型を刻む古典『万葉集』。新元号「令和」の典拠として改めて注目を集める歌集の世界を、国文学研究の第一人者が解き明かす。
「愛と死」など十のテーマで万葉びとの生きた時代へいざない、歌の楽しみをガイドする。やさしく格調高い文章で綴られた『万葉集』入門の決定版。
【著者について】
1929年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。文化勲章受章。『万葉集』など古代文学の比較研究を主に、日本文化の研究と評論活動をつづける。著書に『万葉集の比較文学的研究』(読売文学賞)、『万葉史の研究』(日本学士院賞)、『万葉と海彼』(和辻哲郎文化賞)、『中西進の万葉みらい塾』(菊池寛賞)、『万葉の秀歌』、『万葉集 全訳注原文付』(全4巻・別巻1)『中西進万葉論集』(全8巻)、『源氏物語と白楽天』(大佛次郎賞受賞)、『中西進著作集』(全36巻)など多数。
目次
万葉の山なみ/激動の歴史/繚乱の詩人たち/豊かなる民衆/生活の哀歓/神々と人間/自然交感/心とことば/愛と死/美の永遠