「チューリップようちえん」に通うかほちゃんは、四歳の女の子。
ある朝幼稚園に着くと、大変な事件が起こっていました。
かほちゃんの大好きなチューリップの花壇が、何者かによってむちゃくちゃにされています。
いったいだれがこんなことをしたのでしょう!?
折れた一本をお家に持ち帰った夜、かほちゃんに不思議なことが......。
「リップル、リップル、チューリップル!」
目をとじて、ひみつのことばを三かいとなえると、かほちゃんは、ピンクいろのひかりにつつまれました。
まぶしいです。ひかりはチューリップのかたちになって、かほちゃんのまわりを、くるくるまわりました。
そして、かほちゃんとぶつかり、すなばのすなにように小さくなって、とびちりました――
あさのあつこの幼年童話