宇宙からおくりこまれたナゾの製造機はものをだいじにしない人間たちへの警告だった!
商店街のおもちゃ屋の店先に置かれた一台の機械、「3Dフィギュア・ジェネレーター」。
1回500円を入れ、そなえつけの電子ペンで絵を描くとフィギュアができる仕組みだ。設置後、またたくまに学校中で話題になり、子どもたちはおこづかいを投じてフィギュアづくりに夢中になるが......。
この「3Dフィギュア・ジェネレーター」は地球から遠く離れた、宇宙のかなた、「宇宙同盟」が開発し、地球に送り込んだもの。彼らの調査によると「地球はこのままでいくと都合の悪いものは全て宇宙に放り出し、宇宙の環境に悪影響を及ぼす」という結果が出た。「そうなる前に手を打てないだろうか、地球上に救いとなる存在はあるか」という議論のもと、この機械は開発され、地球に送り込まれたものだった。
〔あらすじ〕ある日、妖怪マニアの大河がカッパのフィギアを作って学校に持ってきた。それは「妖怪絵図」に載っていた絵を写しただけあって、仕上がりもリアル。するとクラス中の子どもたちのあいだで妖怪フィギア作りが大流行し、3Dフィギュア・ジェネレーターはいつしか、クラスで「妖怪製造機」と呼ばれるようになっていた。みんなから遅れをとっていた翔にも、トライするチャンスが来たけれど誰も作っていない妖怪は「カミキリ」のみ。しかたなく絵を写し「あけぼの玩具」を訪れるが‥‥‥。(Ⅰ「ぼくのカミキリ」)
突然変異のフィギュアたちが巻き起こす、3つの物語。
〔もくじ〕プロローグ/Ⅰぼくのカミキリ/Ⅱ息を吐くピンク/Ⅲ魅惑のリルカ/エピローグ