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夏目漱石とクラシック音楽
著者  瀧井 敬子
発売日:2018年3月28日
配信日:2018年4月27日
ISBN:978-4-620-32498-2
判型:四六判
頁数:320頁
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書影:夏目漱石とクラシック音楽
定価:2750円(税込)
電子書籍版定価:2200円(税込)
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文豪はなぜ西洋音楽に魅了されたのか?

夏目漱石は大のクラシックファンだった?! 従来のイメージを覆す画期的な漱石論の誕生!

「趣味は人間に大切なものである。楽器を壊すものは社会から音楽を奪う点において罪人である」(『野分』より)

ロンドン留学中に西洋音楽と出会った夏目漱石は、盟友寺田寅彦の手ほどきもあって、以後大のクラシックファンとなる。お洒落をしてコンサートに行くのがなによりの楽しみで、娘に当時としては高額のピアノを買い与え、中島六郎という専属教師をつけ、彼の音楽評を森田草平にまとめさせ、新聞の文芸欄に掲載させていた。 日本最初のバイオリニスト幸田延や、日本に初めてオーケストラを作ったアウグスト・ユンケル等、当時の一流音楽人たちの公演も観ていた。

音楽への傾倒は作品にも大きな影響を与えている。『三四郎』における美禰子の造形を筆頭に、有名な『野分』の音楽会の場面、随筆『ケーベル先生』など漱石文学の名作は、クラシックを抜きにして語れないものだった。文明社会に芸術は欠かせないと考えていた漱石にとって、クラシックとは『草枕』で語られる理想の境地「非人情」を具現化するものだった。
音楽学の第一人者による画期的な漱石論が登場!

目次

第一章 英国における洋楽への好奇心の芽生え 
第二章 寺田寅彦とケーベルの出会い 
第三章 千駄木時代の漱石と寅彦のコンサート体験 
第四章 『朝日新聞』入社後の明治四十一年 
第五章 漱石家のピアノ購入 
第六章 『東京朝日新聞』「文芸欄」の音楽批評 
第七章 ケーベル先生との音楽談義 
第八章 音楽が趣味となった漱石の生活 
第九章 大正二年から大正四年の頃 
第十章 中島六郎への最後の手紙