サンデー毎日

スポーツ・芸能
News Navi
2022年2月 6日号
芸能 映画「呪術廻戦」大ヒットでも声優に1億円プレーヤーなし?
loading...

『週刊少年ジャンプ』の連載漫画を元にした映画「劇場版 呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)0」が年末の封切りから1カ月足らずで観客動員数628万人を突破。興行収入85億円超えを記録。史上初の興行収入400億円超となった「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」に近づくのではと注目されている。

「呪術廻戦」は2018年からジャンプで連載が開始された。人間の負の感情から生まれる呪いと、それを祓(はら)う呪術師との闘いを描く人気作で、テレビアニメも放送された。

「劇場版の呪術廻戦が『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の興収102億円を抜くのは時間の問題」(アニメ映画ライター)。アニメ映画のヒット連発で、ファンの関心は声優にも向けられている。

「鬼滅の空前の大ヒットで、主役の竈門(かまど)炭治郎を演じた花江夏樹や竈門禰豆子(ねずこ)役の鬼頭明里(あかり)らが大ブレークしたこともあって、史上最大級の〝第6次声優ブーム〟が起こった」(声優プロ関係者)

 小中学生が将来なりたい職業ランキング(21年4月、ニフティ調べ)で声優が3位に。「声優養成所に将来の声優を目指して、生徒が殺到している」(スポーツ紙記者)

 声優スターになればアイドル同様に巨額なギャラをもらえるかと思われるが、現実はそんなに甘くない。声優にはランク制が適用され、30分アニメ1本で1万5000〜4万5000円。洋画の吹き替え1時間、5万円が相場とされる。

「最高ランク以上は〝ノーランク〟といって声優自身でギャラ交渉ができる。トップの推定年収は『平成天才バカボン』のバカボン役や『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波(あやなみ)レイ役などの林原めぐみの7000万円。アニメ映画の大ヒットとは裏腹に、声優では俳優のような1億円プレーヤーは聞かない」(声優プロ関係者)

 毎年、約3万人が声優を目指して、養成所などに通っているといわれている。アニメ作品のヒットを支える声優のギャラの見直しが迫られる。

(本多圭)

うさぎとマツコの人生相談
週刊エコノミストOnline
Newsがわかる
政治・社会
くらし・健康
国際
スポーツ・芸能
対談
コラム