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2022年1月 2日号
スポーツ 最終戦最終周で奇跡の大逆転 F1ホンダが有終の"総合V"
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 劇的なレース展開の末に、今季限りでF1活動から撤退するホンダが有終の美を飾った。自動車のF1シリーズ最終22戦、アブダビ・グランプリ(58周)は12月12日に行われた。前戦まで激しく総合優勝を争い、両者ともドライバー部門369・5㌽で並んでいたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(24)=オランダ=とメルセデスのルイス・ハミルトン(36)=英国=の一騎打ちとなったが、フェルスタッペンが今季10勝目、ドライバー部門初の総合優勝を果たした。ホンダ勢のドライバーが年間王者になったのは、マクラーレンと組んでいた1991年のアイルトン・セナ(ブラジル)以来30年ぶり。

 エンジンを中心とするパワーユニットを、レッドブルとアルファタウリに提供してきたホンダは、温室効果ガス削減につながる「カーボンニュートラル」に力を注ぐことを理由に昨秋、今季限りでのF1撤退を発表していた。製造者部門ではタイトルを逃したが、大きな「置き土産」を残したラストランだった。

 ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは出遅れ、終始ハミルトンを追いかけるが差は縮まらない。しかし、勝負は決したかと思われた53周目でウィリアムズの車がクラッシュ。セーフティーカー導入後、わずかな望みをかけ、ピットインして新しいソフトタイヤに交換した。残り1周で再スタートすると、第5コーナーでハミルトンのインに飛び込み、一気に抜き去った。フェルスタッペンは「信じられない。戦いを続け、最後の周にチャンスが巡ってきた」と声を震わせた。

 ホンダの置き土産はもう一つ。ルーキーとして参戦したアルファタウリ・ホンダの角田裕毅(21)の成長だ。何もかも初体験で苦しんだ1年だったが、この最終戦は自己最高の4位でフィニッシュし「素晴らしい1日になった」と笑顔。関係者の評価も高く、来季が楽しみだ。

(水木圭)

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