俳優の小栗旬(38)主演のTBS系の日曜劇場「日本沈没―希望のひと―」が、放送終了後の翌午前0時からネットフリックスで、世界190以上の国や地域に同時配信。新たな市場の開拓として注目されている。
「TBSは『日本沈没』を含めて3本ネトフリと配信契約。配信契約料は10億円。更に視聴者のview数や加入率に比例する形でインセンティブが支払われる。ドラマが大ヒットすれば莫大(ばくだい)な配信料が見込まれる」(ドラマ制作会社プロデューサー)
2015年に日本に上陸したネトフリは当初、テレビ業界では〝黒船来襲〟と恐れられた。「視聴率が下がり、局の利益が減るとみられていた。そして、出演者の権利処理が煩雑なために進まなかった」(キー局のドラマスタッフ)。しかし、「吉本興業」の大﨑洋会長が「メディアごとにタレントやコンテンツの新しいマネジメント方式さえ身につければ、日本ドラマは生き残れる」として、又吉直樹が芥川賞を受賞した小説『火花』のドラマ&映画化を仕掛けるなど「共闘」が広がってきた。
現在、ネトフリの世界の加入者数は2億1360万人。ディズニープラスより1億人多い。日本でもコロナ禍で加入者数は1年前に比べて100万人増の600万人。
「TBSの日曜劇場の1本の制作費は1億円近いと言われている。それだけに15%以上の視聴率を取らないと元は取れない。『日本沈没』は初回から15%超えが続いています。そこにネトフリの配信料が入る。TBS、笑いが止まりません」(前出のドラマスタッフ)
「日本沈没」の視聴率は、テレビ朝日系の人気ドラマシリーズ「ドクターX〜外科医・大門未知子」にはわずかに及ばない。しかし、営業的には「ドクターX」以上の大ヒットになるかもしれない。
(本多圭)