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2021年11月21日号
スポーツ ド派手会見で日本ハムに復帰 「新庄監督」は再びの救世主か
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 こんなに派手で明るくぶっ飛んだ監督就任会見は見たことがない。高襟シャツにエンジのスーツで「優勝なんか一切目指しません」。約120人の報道陣をけむに巻いた。プロ野球・日本ハムの新監督に就任した新庄剛志氏(49)が11月4日、札幌市で記者会見して既成概念を打ち砕く「新庄劇場」を繰り広げた(写真)。セ・パ両リーグと米大リーグを経験し、独自の野球観と人気を持つ新監督はキャンプからメディアを独占しそうだ。

 今季限りで退任する栗山英樹監督(60)の後任は「隠し玉」だった。本命とされていた東京五輪日本代表監督の稲葉篤紀氏(49)がGMに。監督はメディアや球界関係者も予想できなかった新庄氏だ。

 新庄氏に指導者経験はない。ただ、メジャーから2004年に日本球界へ復帰した日本ハムでは、オートバイやゴンドラでグラウンドに登場したり、「かぶり物」姿を披露したりする派手なパフォーマンスでスタンドを沸かせた。04年が東京ドームから札幌への「移転元年」だった日本ハムにとって、観客動員面での多大な「功労者」である。

 その言動から「目立ちたがり屋」「オチャラケキャラ」と見られがちだ。しかし、チーム関係者や元同僚からは「真面目で礼儀正しく、野球にも真剣に取り組む情熱家」との声が大きい。特に目がよく、外野から捕手のサインや内野守備を見ていてアドバイスするほどの理論も持っていたという。パフォーマンスもチームの成績が悪かったり、雰囲気が停滞したりしたタイミングを見て企画していた。

 中田翔(現巨人)の暴力行為や円陣での差別発言で悪くなったイメージを回復させたい球団上層部の思いが、以前から評価していた新庄氏の情熱と一致した。敬遠のボール球のサヨナラ打や球界再編騒動に揺れていた04年オールスター戦での本盗など「伝説」も数多い。再来年に北海道北広島市の新球場も開業する。2度目の「移転」でも救世主になるか。

(水木圭)

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