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2021年9月 5日号
スポーツ 筒香の3球団目はパイレーツ 新天地では「背水」の消化試合
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 三度目の正直か。背水の移籍か。米大リーグのドジャース傘下3Aオクラホマシティーでプレーしていた筒香嘉智外野手(29)が8月14日に自由契約となった。日本復帰も考えられたが、同16日にパイレーツ入団が発表された。

 2019年オフにDeNAからポスティングシステムを使い、2年総額1200万ドル(約13億2000万円)でレイズに入団した。だが、今季は開幕から不振で5月に戦力外になり、ドジャースへ移籍した。ドジャースでも不振から抜け出せず、6月9日に右ふくらはぎの張りで負傷者リストに入り、そのままメジャー40人枠から外れていた。3Aでは7〜8月と好調を維持しており、それが早い時期での移籍につながった。

 パイレーツはチーム再建途上で、若い選手が中心だ。打線が課題で長打力や得点はメジャー最低クラス。ナ・リーグ中地区でも首位ブルワーズから30ゲームほど離された最下位だ。真面目で練習熱心な筒香は、チームの起爆剤や若手のお手本としても生かせる。今季年俸700万ドル(約7億7000万円)のほとんどはレイズが負担するので、金銭的リスクもない。「(3Aでの試合で)自分の打撃が戻った」と手応えを感じている筒香にとっても、ワールドシリーズ制覇を目指すドジャースと比べ、出場機会が多くなるのは確かだ。

 期待を証明するように、パイレーツは16日、古巣ドジャース戦の九回に代打起用。筒香は守護神のジャンセンから強烈な左翼線二塁打を放ち、移籍後初打席で「リベンジ」を飾った。翌17日には4番・一塁で先発出場し、またも九回にジャンセンから左翼線二塁打を放って意地を見せた。

 球団幹部の中には「まず3Aで様子を見てから」との意見もあった。そんな声を抑え込む好スタートでファンや首脳陣の信頼も得た。チームには「消化試合」の後半戦も、筒香にとっては名誉挽回の大舞台だ。

(水木圭)

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