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2021年7月18日号
スポーツ 日本がドリームチームに善戦 23年ラグビーW杯向け手応え
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 ラグビー日本代表にとって「収穫の善戦」だった。

 日本代表は6月26日、欧州遠征第1戦として英国で全英・アイルランド代表ライオンズと対戦して1028で敗れた。ライオンズはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの英国系4協会の主力から選抜され、4年に1度だけ結成される「ドリームチーム」だ。前半は021で折り返したが、後半は素早い展開からの攻撃で相手守備を圧倒する場面も見せた。コロナ禍の影響で2019年W杯以来約1年半ぶりのテストマッチとなったプレーの質は高く、23年W杯フランス大会に向けて順調なスタートを切った。

 やはり130年以上の歴史を誇る「世界最強」の壁は厚かった。過去は強豪ばかりを相手にしてきたライオンズとの一戦は5〜6年前だったら考えられなかった。しかし、トライも奪っての善戦は世界を驚かせた。それは近年、進歩してきた日本自身が引き寄せた結果でもある。15年W杯初戦で南アフリカを破り、19年W杯ではアイルランドとスコットランドを撃破してベスト8に進出した。このベスト8で23年W杯の出場も確定している。世界のラグビー界にとっても、もはや無視できない存在になっているのだ。

 今回の遠征は準備期間が短く、戦術の完成度は高くなかった。しかし、海外組の個人技が相手を慌てさせた。フランスで活躍するWTB松島幸太朗の高速ステップ。ニュージーランドのチームで世界最高峰のスーパーラグビーに参加したFL姫野和樹のパワーがインパクトあるプレーを生み出した。また、後半10分に姫野と同時に投入された若手SH斎藤直人のパス、NO8テビタ・タタフの突進も融合して「ワンチーム」の粘り強さを見せた。

 後半19分に歴史的トライを決めた姫野は「ラグビー人生において宝物になる」と喜んだ。この経験を23年につなげてほしい。

(水木圭)

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