サンデー毎日

スポーツ・芸能
イチオシ
2021年6月 6日号
スポーツ 筒香が急転直下ドジャースへ 新天地の監督は「再生」に自信
loading...

 大型補強や高額契約などに慣れている米大リーグファンも、今回のドジャースの決断には驚いたに違いない。極度の不振からレイズを戦力外となった筒香嘉智内野手(29)を獲得したのだ。40人枠から外れ、レイズから事実上の戦力外通告をされたのが5月11日。古巣のDeNAを筆頭とする日本球界に復帰するか、マイナー降格に甘んじてメジャー再昇格を目指すか、その選択が注目されていた。ところが急転直下、15日にドジャース移籍が発表された。

 しかも単なる「選手層を厚くする」というレベルの獲得ではない。移籍直後の18日のダイヤモンドバックス戦では「7番・左翼」で初出場して2打数無安打2四球。さらに、翌19日には「4番・左翼」で起用され、移籍後初安打と初打点を記録した。ロバーツ監督は「昨日の2四球はいい仕事だった。4番起用は、スイングの軌道が相手先発(右腕ピーコック)に合っていると思った」と評価した。

 他球団の戦力外選手を、いきなり名門球団の4番に据えるとは驚きだ。もちろん、これには伏線がある。

 筒香は一昨年オフにDeNAからポスティングシステムでメジャー挑戦し、2年総額1200万ドル(約13億2000万円)でレイズに入団した。しかし、昨季は51試合で打率1割9分7厘、8本塁打、24打点。今季も26試合で打率1割6分7厘、0本塁打、5打点と結果を出せていなかった。ただ、ドジャースは日本時代から筒香を調査しており、2年前の争奪戦も獲得に名乗りを上げていたのだ。

 昨季はワールドシリーズを制したドジャースだが、今季は主力野手に故障が相次いだ。一方、筒香は一塁、三塁、左翼を守れる。打撃不振にもロバーツ監督は「修正点は把握している」と〝再生〟に自信を見せている。「新たなチャンスをもらったことに感謝する」と意欲的な筒香。何とかつかんだ最後の機会を生かしたい。

(水木圭)

うさぎとマツコの人生相談
週刊エコノミストOnline
Newsがわかる
政治・社会
くらし・健康
国際
スポーツ・芸能
対談
コラム