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2021年4月18日号
スポーツ 角田裕毅が開幕戦で9位入賞 20歳が上々のF1デビュー戦
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 2000年生まれ、弱冠20歳のルーキーの果敢な走りが世界中に興奮を巻き起こした。自動車の最高峰レースであるF1シリーズの今季開幕戦、バーレーン・グランプリは3月28日に決勝が行われ、デビュー戦となったアルファタウリ・ホンダの角田裕毅(つのだゆうき)が9位に入賞した。日本人ドライバーのF1参戦は小林可夢偉(かむい)以来7年ぶりで、デビュー戦入賞は初めての快挙だ。角田は今季参戦する20人のドライバーで最年少。その若さと攻撃的な走りは関係者やファンを魅了し、早くも「将来、ワールドチャンピオンになるのは間違いない」などと称賛の声が高まっている。

 衝撃的なデビュー戦の走りだった。13番手スタート直後は17番手まで後退したものの、巧みで勇気がある見事な運転技術で先行車を次々に抜き去って順位を上げた。中には大きな目標として憧れているアロンソをはじめ、ベッテルやライコネンらチャンピオン経験者も含まれていた。最終ラップでストロールを抜いて9位でフィニッシュし、「力強いオーバーテークをすることができた。最初のレースで入賞することができてうれしい」と喜んだ。特に2度の総合優勝の実績があるアロンソを抜いた場面には「一番熱く感じた瞬間だった。幼いころから見てきたスーパースターだったので、とてもエキサイトした」と振り返った。

 コロナ禍の影響で無観客だったのが惜しいが、F1公式のユーチューブでは速くて巧い角田の「オーバーテーク集」が動画として編集、公開され、世界のファンや関係者から大きな注目を浴びた。アルファタウリのトスト代表は「成長を続ければ、必ず世界チャンピオンになるだろう。速さはもちろんのこと、精神的な強さが大きな魅力」とべた褒め。ファンからも「最高のパフォーマンス」「美しいドライブ」など多くの反響が寄せられた。ホンダが今季限りで撤退する寂しさを埋める存在となりそうだ。

(水木圭)

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