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2021年4月11日号
スポーツ バド桃田、511日ぶりの黒星 大けが後の国際大会復帰戦で
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 世界ランキング1位の「絶対王者」が久々に敗戦を味わった。バドミントン男子シングルスのエース、桃田賢斗(26)=NTT東日本=が3月19日に英国で行われた全英オープン準々決勝で、世界ランク10位のリー・ジージャ(22)=マレーシア=に16―21、19―21のストレートで敗れた。国内外の試合を通じて黒星を喫したのは、試合前に棄権した2019年11月の香港オープンを除けば同10月25日のフランス・オープン準々決勝以来、511日ぶりだ。

 桃田は昨年1月、遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれ、右目眼窩底(がんかてい)骨折などの重傷を負った。だが、11カ月ぶりの公式戦復帰となった昨年12月の全日本総合選手権で3連覇を達成した。国際大会での復帰戦となった今大会も、1、2回戦を順当に勝ち上がり、完全復活を思わせた。だが、準々決勝はパワーを前面に出す伸び盛りのジージャに押される展開で、まだ試合勘が取り戻せていない一面ものぞかせた。

 今大会はコロナ禍の影響で中国やインドネシア、韓国などの強豪が参加しなかったとはいえ、桃田以外の女子シングルス、男女の各ダブルス、混合ダブルスの4種目は日本勢が優勝しただけに、中国では「今大会最大の番狂わせ」と驚きをもって報じられた。

 日本代表の朴柱奉(パク・ジュボン)ヘッドコーチは「今回負けたことで精神的にリフレッシュされたと思う」と敗戦を前向きにとらえ、桃田は「めちゃくちゃ悔しい。負けることがこんなに悔しいんだと感じている」と話し、「課題が山ほど見つかった。ということは、まだまだ進化できるということ」と気持ちを奮い立たせた。7月開幕の東京五輪本番まで残された時間は少ない。世界の強豪たちを圧倒してきた、本来のプレーが取り戻せるか。

 交通事故後には「バドミントンを諦めなければならないのではないか」とまで思いつめたという桃田。強い精神力に期待したい。

(水木圭)

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