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2020年12月 6日号
そこが知りたい!ペットとコロナ 丸わかりQ&A
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コロナ禍で人間同士はソーシャルディスタンスが常識になったが、イヌやネコにはどう接したらいいのか。最近ではミンクから変異した新型コロナウイルスも発見されており、気になるところだ。飼い主でも案外知らない、今さら聞けない疑問にお答えしよう。

◇自分が感染したら?/うちの子の消毒は?/ステイホームのストレスは?

Q1 そもそもペットは新型コロナに感染する?

海外では、新型コロナウイルスに感染した人からペットに感染した事例が数件、確認されている。イヌは香港と米国で。ネコは米国、ベルギー、フランスなど複数の国にまたがっている。

またデンマークでは、毛皮用のミンクから変異した新型コロナウイルスが見つかり、人に感染した例も報告された。ミンクへの感染はオランダやスペインでも報告されているが、世界保健機関(WHO)の欧州担当当局者は普通のことだとしている。

日本では、ペット保険の「アニコム損保」を中核とするアニコムホールディングスで預かったイヌ2頭がPCR検査で陽性と確認された。うち1頭は陰性になり、もう1頭も健康状態には問題がないとしている。

ペットも感染はするが、今のところ報告例は少ない。

Q2 新型コロナに感染した犬や猫は死んでしまう?

厚生労働省によると、感染したイヌについては明確な症状が表れていない。一方、ネコは呼吸器症状、消化器症状が出ているとの報告がある。ただ、11月19日現在、日本国内でコロナを原因としてペットが死んだ事例は確認されていない。

Q3 ペットの新型コロナは人間にうつる?

ペットが人の感染源となる根拠はないが、100%安全と断定することもできない。飼い主が感染していない場合は、ほぼ問題ないと考えていいだろう。

Q4 自分が新型コロナに感染したら、ペットはどうすればいい?

日本獣医師会では、なるべく室内で飼育し、感染者とペットが接触しないように指示をしている。また、飼い主が入院して飼育できない場合について、獣医師会では①家族など他にペットの世話をする人が自宅にいる場合はその人が自宅で世話をすること、②いない場合は信頼できる人になるべく早く預けるよう呼びかけている。

また、飼い主が感染して自宅で療養する場合は、①療養中の部屋にペットを出入りさせない、②汚染したマスクやリネン類にペットが接触しないように注意する、という2点を挙げる。獣医師会では、飼い主が感染しても飼育放棄や遺棄をしないように注意喚起もしてきた。

そんな中、新たなサービスも生まれている。前出のアニコムホールディングスは、新型コロナウイルス感染症に対する「#StayAnicom」プロジェクトを展開しており、新型コロナに感染した飼い主のペットを預かるサービスを提供している。保険に未加入の飼い主でも利用が可能だ。

また、東京都では10月9日に、ペット同伴可能の療養施設を開設した。入院の必要がない軽症者や無症状者に限るが、イヌ、ネコのみならず、ウサギやハムスターも対象だ。

「約20平方㍍のプレハブの個室が140室。ペットも自宅療養と同じ生活レベルを保てるよう、各部屋にはケージやペット用の消臭剤、ペットシートなども用意しています」(東京都動物愛護推進員の木村彰子さん)

Q5 ペットのいる家庭が今、気を付けることは何?

ペットの感染を心配する時、一番重要なポイントは飼い主自身が感染しないようにすること。獣医師会では「飼い主が感染者でない限り、ペットへの感染を心配する必要性は少ない」としている。それでもペットへの感染が心配なら、なるべく人ごみに連れて行かず、感染のリスクを減らすよう注意して生活することを提案している。

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