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2021年10月10日号
米国 バイデン政権、11月初旬から「接種を受けない人はお断り」
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 「ワクチンの接種を完了した外国人は11月初旬から、米国に空路で入国できるようになります」

 バイデン米大統領は9月20日、そう発表した。実現すれば、新たに米国渡航が可能になる国がある一方、渡航できる人が限られる国もある。

 米疾病対策センターのウェブサイトによれば、前者は中国、イラン、独仏などシェンゲン協定に加盟する29カ国、英国、アイルランド、ブラジル、南アフリカ、インド。それらの国に滞在する非米国人は今のところ、米国に空路で入国できない。11月初旬以降は、接種を完了すれば米国に入れる。

 一方、後者は日本を含む、それ以外の国々に滞在する非米国人だ。現在は新型コロナウイルスのPCR検査を受け、陰性の証明書があれば、空路で米国に入国できる。11月初旬以降は、接種が完了していないと米国に空路入国できなくなるわけで、規制強化となる。

 日本にどんな影響があるのか。まず、何らかの理由でワクチンの接種を受けない人は、米国に空路入国できなくなる。

 もう一つは、日本政府が外国人に対する入国規制を緩和するよう圧力が高まりそうなことだ。世界的にワクチンの接種が進む中、米国以外にも入国規制を緩和する国が相次いでいるからだ。例えば、英国政府は10月4日から入国規制を緩和する。ワクチンの接種が完了した日米などからの渡航者は、入国前にPCR検査を受ける必要がなくなり、入国後に抗原検査を受ければいいという。

 一方、日本政府は接種の有無にかかわらず、日本人を含む入国者に対し、自宅などで14日間の「待機」を課している。「米欧間の渡航が事実上自由化する中、日本だけが入国者に厳しい規制を続けていいのか」といった論議が高まりそうだ。

 米国では11月初旬以降、空路で入国する外国人は接種を終えた人だけになる。今まで接種を受けるために米国入りする外国人を当てにしてきた観光業者にはマイナスだ。

(土方細秩子)

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