編集長後記
今号の保阪正康さんの「満州事変後の『暴力の時代』を生んだ幻のクーデター」に描かれた史実は衝撃的です。「幻のクーデター」とは、1931年の陸軍将校らによる2回のクーデター未遂計画で「三月事件」「十月事件」と呼ばれています。政治家、財界人、議会関係者などを大量殺害し政府転覆を狙った計画で、これを起点に日本は「暴力の時代」というべき軍部主導に走っていきます。保阪さんは数回にわたり実証的に記述しています。「軍拡」の是非が問われる今、重要な歴史の教訓でしょう。
さて、新連載「みんなのウェルビーイング」がスタート! 慶應大大学院の前野隆司教授が執筆する気軽に読めて学べるコラムです。
(城倉由光)