『炉辺の風おと』に続く山小屋エッセイ第2集
歌わないキビタキは別人のようだ。何か重い鬱屈を胸に抱えているような。近々、苦しく長い、命がけの旅にでなければならないという予感に囚われているのかもしれない――目の前の小さな営みと壮大な命の循環。その深奥へ分け入る著者の眼差しは、混迷の時代にあって〈人の道〉をそっと照らし出す。
目次
第一章 一変した世界で 二〇二〇年六月―九月
個性は消えない
バランスを視ること
うつくしい保険
第二章 進んでは少し逆戻り 二〇二一年四月―八月
鉄人の日々
群れにいると見えないこと
半返し縫いの日々
アマチュアの心
第三章 境界を行き来する 二〇二一年九月―十二月
長い間、気づかずにいたこと
自然界では一つとして同じ存在はないということ
森の道 人の道
第四章 聖と俗 二〇二二年一月―四月
晩秋と初冬の間
敗者の明日
準備はできつつある
雪が融け 水が温み
第五章 クスノキの葉擦れ 二〇二二年五月―九月
失ったものと得たもの
滴るように伝わる
目的は、「変化」そのもの、なのか
第六章 いのちなりけり 二〇二二年十月―二〇二三年三月
歌わないキビタキ
秋はかなしき
あるべきようは