対談詳細

艶もたけなわ
loading...

渡辺美里 ボーカリスト

2018年7月 1日号

阿木燿子の艶もたけなわ/208 

 かつて"夏ライブの女王"といえば、西武球場で20年野外ライブを続けた渡辺美里さんをおいてほかにない。「My Revolution」をはじめ、「いつか きっと」「サマータイム ブルース」など数多くのヒット曲をもち、今なお歌に対して情熱を強く抱き、ライブ活動を続けている渡辺さん。その輝かしい渡辺さんの軌跡と情熱の源に迫りました。

 ◇私、歌うことが本当に好きなので、ずーっと歌っていたいんです。

 ◇「卒業」の最初のフレーズもとても素敵。作詞の才能もとてもお有りになると思う。  

◇あの詞のネタをばらすと、祖母が俳句をやっていて、そのイメージを借りたんです。

渡辺 お口に合うかどうか分かりませんが、これ、私が好きなほろ苦チョコ。よろしかったら。

阿木 ありがとうございます。頂きます。いいですね、ほろ苦いのって。ほろ苦といえば、先日のオールナイトニッポン50周年記念の武道館のコンサート、盛り上がりましたね。南こうせつさんや森山良子さんなど、豪華なメンバーが顔を揃(そろ)え、懐かしい歌を披露なさっていらっしゃった。

渡辺 今年3月の「あの素晴しい歌をもう一度コンサート」ですね。降ってくるんじゃないかと思うくらい、お客様がたくさん入っていましたね。

阿木 ステージの後ろの方も開放して、そこも満席。

渡辺 本当、360度でしたものね。やはり良い歌が集まると、人は聴きたいと思うのでしょうね。

阿木 武道館にあれだけ人が集まると壮観ですが、美里さんはアリーナ級の会場には、慣れていらっしゃる。

渡辺 いえいえ、そんな。ただ私、あの時は出演者の中で最年少だったんです。大先輩ばかりで、何でここに私が呼ばれたんだろう、と思いながらも、とても光栄だなと感じていました。

阿木 美里さんはデビューして間もなく、西武球場でコンサートをなさったんですよね。そして、それを20年間、続けられた。

渡辺 思えば無謀でしたね。怖いもの知らずというか。コンサート経験があまりない中、いきなりですものね。

阿木 初めての時は、足が震えたのでは?

渡辺 まず、リハーサルでステージに上がったら、8月ということもあって、あまりの暑さにめまいがしましたね。それにスタンド席が果てしなく遠くにあるので、「こんな所に、お客さんが入ってくれるのかしら」と思って、2度クラクラ。そして本番は、実際に人がワッと居るのを見て、またまた(笑)。

阿木 クラクラのし通しですね(笑)。まあ、真夏ということもあるし。でも野球場でのコンサートってお天気が心配ですよね。20年の間には当然、雨ということもあったでしょうしね。

渡辺 そうですね。4年目の夏はもうどしゃ降りで、雷が激しくて、中止せざるを得ない状態でしたね。

阿木 その時ですね、美里さんが「雨のバカヤロー」と怒鳴り、伝説のライブ(注1)になったのは。

渡辺 これから盛り上がるという時だったので、つい言ってしまったんです。それに応えるみたいに、ファンの中から自然発生的にウエーブが起こって。

阿木 みんなの思いがひとつになった瞬間ですね。今じゃ、ウエーブって珍しくないですけど、美里さん以前にコンサートでウエーブって、あまりなかったのでは?

渡辺 そうかもしれません。私もスポーツ中継では見たことがありましたが、まさか自分のライブでなんて。今みたいにSNSがあったわけではないのに、ステージから何かが伝わって、お客様がそれに応えてくださったことに感動しましたね。

阿木 3万人の回覧板が回ったみたいだと(笑)。言い得て妙だなと。確かにウエーブって、回覧板を隣から隣に手渡している感じですものね。それにしても3万人の人を満足させるって、大変なことですよね。それも20年間だなんて。

渡辺 あの時だからできたんだと思います。今からスタートさせようとしたら、さすがに無理かもって。

阿木 体力気力、共に溢(あふ)れんばかりにないとできない?

渡辺 それと私は早い時期に大きなスペースでのコンサートを経験させてもらったんですが、額縁を変えて、ホールの方が適している場合もあるなと思うんです。

阿木 何も大きな場所だけが、コンサートではない?

渡辺 例えば私、「うたの木」という活動をしていまして。

阿木 絵本のタイトルみたいで、可愛らしいネーミング(笑)。

渡辺 そこではさまざまなジャンルの歌を歌っているんです。日本の童謡、唱歌、映画音楽。演奏もアコースティックだったり、クインテットだったり、フルオーケストラだったりして、いろいろな形で、歌を表現できたらいいなって思っているので。

阿木 タイトル通りに、うたの木が育って、花を咲かせ、実をならせるイメージですね。

渡辺 それも欲張って、二毛作どころか三毛作(笑)。

阿木 それでは休む暇がないのでは?

渡辺 私、歌うことが本当に好きなので、ずーっと歌っていたいんです。だから、それにはどうしたらいいかと考えた時に、いろいろなバージョンがあった方がって、思ったんです。

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    渡辺美里 ボーカリスト

    2018年7月 1日号

    阿木燿子の艶もたけなわ/208   かつて"夏ライブの女王"といえば、西武球場で20...

コラム