対談詳細

艶もたけなわ
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黒田福美 女優・エッセイスト

2017年11月19日号

阿木燿子の艶もたけなわ 178 

 芸能界きっての韓国通として知られる女優の黒田福美さん。これまで数多くの韓国本を出版してきました。その黒田さんが、"日本人特攻兵"として戦死した韓国人を弔う石碑建立のため、20年以上も奔走した記録を本にまとめました。
 長く日韓の懸け橋役を務めてきた黒田さん。石碑に込めた思いについて、じっくり語っていただきました。

  •  ◇私自身は、生涯を通じて成した一番大きな仕事は、この石碑だと思うんです。
  •  ◇黒田さんは、芸能界一の韓国ウオッチャー。韓流ブームが巻き起こる前からですよね。
  •  ◇そうですね。なので韓流ブームの時は、逆にもうこれは潮時だなと思いましたね。

阿木 黒田さんは今年の夏、『夢のあとさき――帰郷祈願碑とわたし』という本を出されましたけど、これだけ内容に重みがあると、一冊にまとめられた後、一種の虚脱状態に陥りませんでしたか?
黒田 そうですね。暫(しばら)くほうけたような感じになりました。原稿自体は、5月中旬にできあがっていたんですが、出版社の意向で、終戦記念日前に出したいということで、最後の追い込みの校正が大変でした。
阿木 内容的に見て、確かにこの本は、終戦記念日に向けて出す意味がありますね。
黒田 ええ、私もそう思って、頑張りまして、精神的にも肉体的にもヘトヘトになりました。
阿木 名は体を表すではありませんが、『夢のあとさき』はタイトルがそのまま本の内容を示唆してますよね。26年前に、黒田さんがご覧になった夢の話が、冒頭に出てきますでしょう?
黒田 あまりにクリアに見たもので。今でも南の島と思(おぼ)しき景色が、脳裏に焼き付いて離れません。
阿木 その夢には、色が付いていたんですか?
黒田 ええ。空と海はトルコ石のようなきれいなブルーでしたね。そこに一人の青年が現れて、こう言ったんです。「僕はここで死んだんですよ。飛行機乗りだったんです。天皇陛下の御為に死んだことに悔いはないけど、ただひとつ残念なことは、僕は朝鮮人なのに、日本人として日本名で死んだことです」って。私、目を覚ましてから、一体これはどういうことだろう、と凄(すご)く不思議で。

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