対談詳細

艶もたけなわ
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小山実稚恵 ピアニスト

2017年7月 9日号

阿木燿子の艶もたけなわ 160 

 日本人で唯一「チャイコフスキー国際コンクール」「ショパン国際ピアノコンクール」という2大国際コンクールでの入賞経験を持つ、日本を代表するピアノスト・小山実稚恵さん。2006年から始めたリサイタル・シリーズ「ピアノで綴るロマンの旅」が今年、最終年を迎えます。ピアノに対する情熱がやむことのない彼女に、阿木さんが迫ります。

  •  ◇私、ピアノの楽譜の譜読みをするのが、好きなんです。まるで趣味みたいに。
  •  ◇たまにピアノの練習をサボりたいなとか、もう飽きたな、とかは?
  •  ◇ピアノの練習は私にとってとにかく面白いので、飽きることはありませんね。

阿木 小山さんのライフワークともいうべきコンサート「ピアノで綴(つづ)るロマンの旅」が、今年いっぱいで終了するんですね。
小山 はい、12年の長きにわたりましたけど、この秋で最終章を迎えます。
阿木 1年に2回ずつ、12年間って凄(すご)いですね。1年に1回、定期的にコンサートをやるのだって大変なのに。しかもスタートする前に、12年間分のプログラムのリストアップをすべて終えられていたというのも、驚きです。
小山 もし途中で曲目を変更したくなったら、アンコールがあるので、そこで調整しようと思って。
阿木 じゃ、最初に家の設計図を書くみたいに曲目を考えられた?
小山 ピアノって、もの凄く沢山(たくさん)作品があるので、一生の間に弾ける曲って限定されてしまいます。どの曲を選ぶかは、私自身の選択ですけど、弾きたいのに弾かずじまいというのは残念なので、なるべく多くの曲を、と思ったんです。
阿木 そんな小山さんの熱い思いを受け止めてくれる、主催者との巡り合いがあって良かったですね。
小山 12年先までのことですものね。オーチャードホール(東京都渋谷区)の方に話を持っていったら、1週間の沈黙の後、OKしてくださいました。親会社が鉄道会社なので、基本的に長いスパンでものを考える回路があるのでしょうね。そのお陰だと感謝しています。
阿木 このコンサートの文化的意味を、理解して頂けたんですね。歌謡曲の世界だと、一人の歌手が何百回とコンサートをやってもヒット曲を中心に、会場がどこであれ、似たり寄ったりの曲目が並ぶケースが少なくありません。
小山 同じ曲を歌って、お客様が満足してくださるなら、それで良いと思うんです。でも、私はいろいろやりたいほうなので、毎回、チャレンジしたいなと。それに私、実は作品の譜読みをするのが、好きなんです。まるで趣味みたいに。
阿木 譜読みって、ただ音符を読んでいるだけではないんですよね。譜面をじっと眺めていると、そこから景色が浮かんできたり、物語が生まれたりするんですか?
小山 不思議なんですけど、音が出てくるんです。この瞬間が自分の中では一番良い状態で、こう弾きたいという思いが溢(あふ)れてくる感じです。でも、実際にピアノに向かうと、ああ、何でこうなっちゃうの、みたいなことも多くて(笑)。

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