対談詳細

艶もたけなわ
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藤竜也 俳優

2016年10月 9日号

阿木燿子の艶もたけなわ 123

 10月に公開される映画では、頑固な父親役を演じるという藤竜也さん。その役に徹するため、演じる父親の出身地である長野の小学校や高校、温泉を訪れたそうです。常に真剣、前向きな藤さんは趣味も多彩で本格派。公私ともに、トコトン突き詰めていくタイプの藤さんの魅力とは─。渋い二枚目俳優の意外な素顔に阿木さんが迫ります。

 ◇最近妻とのスキンシップに成功しましてね(笑)。いい方法を見つけたんです。
 ◇「大町温泉は素晴らしかった」っていう台詞のために、わざわざ長野まで行かれたとか。
 ◇役が僕に微笑んでくれる気がするんです。勝手な思い込みですけど、それで少し安心する。

阿木 間もなく公開される映画「お父さんと伊藤さん」を拝見しました。藤さんは頑固だけれど、人間味あふれるお父さん役で。
 そう、上野樹里さんが娘でね。原作(注1)に登場人物のディテールが細かく書かれていたので、役作りをする上で助かりました。
阿木 あらっ、藤さんは本来、台本重視の俳優さんで、原作はあまりお読みにならなかったのでは?
 今回は読みました。作品の背景をよりしっかり把握したかったんです。
阿木 お若い頃から藤さんって、役作りを入念になさるタイプでいらっしゃる。今回もお父さん役のプロファイリングを、徹底的になさったそうで。
 原作ではこの父親は、長野県出身なんです。それで僕は、彼は高校までは長野にいて、卒業後、明治大学に入ったという設定にしたんです(笑)。
阿木 劇中に「大町温泉は素晴らしかった」っていう台詞(せりふ)がありましたよね。そのために、わざわざ長野まで行かれたとか。
 ええ。温泉もそうだし、小学校や高校も行きました。長野市の教育委員会にお願いして、小学校の校長や教頭先生にお目にかかり、校内を見せてもらったんです。
阿木 藤さんの申し出に先生方は戸惑ってたのでは?
 先方は不思議な顔をしていましたね(笑)。プラネタリウムの部屋などを案内してもらいましたが、別に僕はそういうとこを見たかったわけではないんですけどね。
阿木 藤さんの頭の中で思い描いた、お父さん役の母校だから、そりゃ、先生方もどう対応してよいものかと(笑)。
 学校で、役と同じ年代の卒業生を紹介してもらって、話を聞きに行ったんです。通学の時は道草ばかりしていた、なんて思い出話を聞かせてもらいましたよ。父親が上京するまで見ていたであろう地元の風景を、この目で確かめておきたかったんです。
阿木 何と入念な(笑)。なぜ、そこまで?
 そうすることで、役が僕に微笑(ほほえ)んでくれる気がするんです。「お前のその熱意に応えて、近づいてやろうか」みたいな。勝手な思い込みなんですけど、それで少し安心するんです。

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